優れたライターになるためには、書く力が最も重要だと思われがちです。
しかし、「稼ぐ」という一点を考えると、実はライティング力は一番大切な要素ではありません。
2020年の段階で、私のウェブライター歴は10年ほど。
このページでは、ウェブライターとして生活している自身の経験も含めながら
- 稼ぐライターに求められるスキル
- ライターでいくら稼げるのか?
- 副業ライターの始め方
について紹介していきます。
最も重要な資質は信頼されること
ライターに求められるスキルは以下の3つ。重要な順番で並べると
- 信頼性
- 交渉力
- ライティング力
こんな感じになります。
なんと、プロのライターとして必要だと思われているライティング力は3番目に位置します。
稼ぐのに最も重要なのは信頼
個人的に最も大切にしているのが、顧客から信頼されること。
一人で黙々と作業ができるライターですが、その仕事は顧客ありきです。
そのため、まずは顧客に「この人に任せておけば大丈夫」と思わせるようにしましょう。
信頼を作るのは簡単
実は信頼は、初心者・ベテラン関係なく、意外と簡単に構築可能です。
依頼された仕事を期限までに提出する。
なんと、これだけ。
これを繰り返すだけで自然と信頼性が高まり、依頼人にとっても使いやすいライターになるのです。
私はライターとしての最初の仕事を、海外にいる邦人向け求人サイトの掲示板から取ってきました。
後日、その依頼人にこういわれました。
全部で100人以上の応募があったけど、テストライティングの段階で20人くらいに減り、その後、続いているのが4人だけ
テストライティングには報酬が発生しないため、その数時間の作業が時間の無駄だと感じて脱落する人が大半。
その後も、いきなり音信不通になる人、やると言ったことをやらない人が多く、結局残ったのが4人だけだったのです。
海外の掲示板なので、真摯に対応するライターが少なかったというのもあるかもしれません。
一方で私は、やると言ったことをやり続けただけで見事に信頼を獲得し、それの繰り返しで今に至ります。
なお、顧客が変わると信頼をゼロから構築しなければならないケースもあります。
しかし、すでに信頼を得ている人に紹介された顧客であれば、最初から信頼されている状態でスタートできるため、紹介で仕事をもらうのが最もスムーズです。
楽を選ぶ人には向いていない
会社では「これやっといて」と言われたら、ちゃんとこなす人がほとんどだと思います。
毎日顔を合わせる先輩や同僚との関係性を悪化させたくなかったり、社会人としての意識が働いたりするからでしょう。
しかしウェブライターの場合は、やると言ったことをやらなくても、その依頼人から二度と仕事が来なくなるだけ。
ましてや、副業としてライターを始める場合は、他にちゃんとした収入源がある余裕から「面倒だしやらなくてもいっか」という気持ちが生まれる可能性も。
これは信頼どうこう以前の問題ですが、最悪やらなくても何とかなる状況にいる場合、やらないという選択をとる人も多いのです。
上述した、応募者の大半が脱落したテストライティングの結果が、全てを物語っています。
「やる」「やらない」の判断が100%自分にゆだねられるライター業界。楽な方に逃げてしまう人は、信頼を得るのが難しいです。
一度信頼ができれば自由
一方で、依頼人をしっかりと信頼させることができれば、あとは与えられた作業を期日までに終わらせるのみ。
私は当初、1セット12000文字の仕事を請け負っており、1か月で20セット(24万文字)を納品するという条件で作業をしていました。
1日に2セット24000文字書いたこともありますし、気が乗らないからという理由で1週間さぼって海外を旅行したこともあります。
信頼されている以上、1か月720時間の使い方は自分次第なので、月初の2週間で仕事を片付け、残りの2週間は遊ぶというような使い方も可能。
上司から「どうなってるんだ」と言われることもなければ、先輩に「13時から会議ね」といきなり呼び出されることもありません。
月末ギリギリの少し前にまとめて納品すれば、信頼関係を崩すこともなく、時間を自由に使うことができるのです。
交渉しないと稼げない
信頼性の次に重要なのが、単価アップのための交渉力。
これがないと、永遠に低価格の仕事を受け続けることになります。
私のライターとしての初仕事の報酬は、1ページ600文字×20ページで4000円でした。
つまり、12000文字で4000円ですね。
全く分からないまま始めたというのもあり、1本目の依頼には10時間以上かかりました。
自給換算すると1時間400円なので、余裕で最低賃金以下です。
半年続けた結果、報酬は倍の12000文字で8000円になり、執筆時間も半分以下になりました。
わずか半年で、時給が2000円くらいになったのです。
ライターの単価が上がる仕組み
依頼人が、このライターは使えると判断した場合、何とかそのライターを自分の手元に置いておきたいと考えます。
それは、信頼できるライターを再び探す作業は、労力や時間がかかるし面倒だから。
そして、使いやすいライターをつなぎとめておく最も単純でわかりやすい方法こそが、単価アップなのです。
「今まで1文字0.5円で発注してたけど、今後も続けてほしいから1文字1円まで上げてみよう。1文字2円にすればずっと続けてくれるかな。」
依頼人に、こう思わせることができたらライターが断然有利。
そして、こう思わせるには、やはり信頼されることが最も重要です。
積極的に交渉した方がいい
信頼できるライターは意外と少ないので、数か月しっかりと約束を守っていけば、単価アップできる可能性は十分にあります。
しかし、依頼人側もできるだけコストを下げたいと考えるため、依頼人の方から単価アップを持ち出してくるケースは稀。
収入を上げたいなら、ライター側から積極的に交渉する必要があります。
価格交渉などしたら仕事がなくなるんじゃないか?と考える人もいるかもしれません。
例えば、1文字1円のライターの選択肢は以下の3つです。
- 今後も1文字1円で仕事を続ける
- 交渉して1円以上にしてもらう
- 単価アップを諦め別の依頼人を探す
1円で満足しているのであれば、あえて現状を変えるために交渉する必要はないでしょう。
一方で、1円以上の収入が欲しい場合、その依頼人の仕事をやめて他の依頼人を探すか、単価アップしてもらうかの2択しかありません。
他の依頼人を探すのであれば、その前に交渉しておいて損はないので、どちらの場合もライターがとる行動は、単価アップの交渉となりますね。
なお、依頼人が変わる場合は、信頼関係の構築はまたゼロからとなりますが、数か月先に単価が上がる可能性があります。
3か月~半年続ければ、自然と信頼関係が厚くなっていくので、そのタイミングで「単価アップは可能ですか?」と聞いてみましょう。
聞いてみるだけタダだし、ダメなら他を探すだけ。
私は、1文字1円で半年続けた依頼人に報酬アップを交渉したところ、今は考えていないと言われたことがあります。
その後2か月続けましたが、単価アップ交渉がなかったことのようになっていたため、今後未来永劫1円以上にならないなら続ける意味がないと判断し、スパッと切りました。
現在では1文字5円の仕事が入ってきたり、文字数ではなく1ページでいくら、という依頼をもらえたりしています。
しかし1文字5円くらいまで来ると、さすがに1文字10円、20円と簡単に単価アップしてもらうのは厳しいです。
ライター単価には相場が存在しませんが、知名度や専門性などの付加価値がなければ、何となく上限があるような気もします。
最低限のライティング力は必要
タイトルにライティング力は重要でないと書きましたが、一応ライターなので、最低限のスキルは必要です。
しかし、難しく考えることはなく、とりあえず日本語を間違えずに使えれば問題ありません。
その他の基本的スキルは、ライターを続けていく中で、自分で勉強したり依頼人に教えてもらったりして少しずつ身についていくからです。
スキルと呼べるかどうかは別として、まずは誤字脱字などをなくし、違和感なく読める文章を作ることが最も重要。
流しでサッと書いたような文章は、絶対にどこか間違っていると断定できます。書き終わった後に何度も読み返すことを意識しましょう。
私は、ライターの育成や納品物のチェックなどをしていたこともあります。
その中で最も気になったのが、明らかに見直しをしていないであろう記事。
「てにをは」間違いや変換ミスによる間違った漢字の使用など、読み返せば気づくはずの実に簡単なミスが多いという点です。
1カ所2カ所のミスはしょうがないかもしれませんが、1000文字の記事で変換ミスなどが10カ所もあると、正直人間性を疑います。
自分では完璧だと思っていても、第三者が読んだら間違っている部分があるようなケースは珍しくありません。
私もミスをすることは多いですが、書いた記事を何度も読み返し、そのミスを最小限に減らしたうえで納品するようにしています。
書き終わった後のチェックは意外と時間がかかります。
面倒かもしれませんが、初心者であろうとライター歴が長かろうと、文章を完成させるうえで必ず必要な工程なので、確認する癖を付けましょう。
ライターって本当に稼げるの?
やったらやっただけ稼げる成果型の仕事なので、ライティングに割ける時間に応じて、どれだけ稼げるかが変わってきます。
しかし、簡単に言えば初心者でも稼げます。
副業ライターの始め方
恐らく、はじめは副業からライターをしてみるという人が多いと思います。
副業であっても真面目に取り組めば、平日1日2時間、土日にそれぞれ5時間とすると、1週間で20時間、月80時間ライティングが可能です。
時給換算で500円だとすると月収4万円ほど、1000円の場合は月収8万円ほど稼げる計算になりますね。
ただし、初心者はかなりの時間がかかるため、そこの我慢は必要。
文章を書くのが苦手な人もいるでしょうし、顧客の使っているシステムを理解したり、顧客の求めるジャンルの知識を蓄えたりすることを考えると、はじめは結構めんどくさいかもしれません。
しかし、慣れてしまえば、ひたすらタイピングするだけ。早く終わればそれだけ時給単価が高くなります。
本業のライターはいくら稼げる?
完全にピンキリですが、トップクラスは年収1000万円を余裕で超えています。
好きな時間に好きな場所で作業をしての1000万円なので、会社でストレスを抱えながら稼ぐ1000万円とは、わけがちがうということを踏まえておきましょう。
本業でやっているのであれば、サラリーマンの平均月収くらいは稼げます。
ただし、やったらやっただけ稼げる一方で、やらなければ収入はなくなるため、完全に自分次第ですね。
例えば、大病を患って1か月仕事ができなかった場合、それまで月収100万円の人でも、その翌月の収入はゼロです。
しかし、自身でメディアやブログを運営している場合、そこから入ってくるアフィリエイトやアドセンスなどの不労所得が、収入を補ってくれるパターンも。
また、自分でブログを運営すれば、日常的な支出の中に節税できる項目が含まれることも多いです。
例えば、便利グッズを買って使いたいと思った際に、そのグッズをブログで紹介すれば、グッズ代金は経費にできたりします。
そのため、額面に対する手取りの割合はサラリーマンよりも多いはず。
まずはライターを体験してみよう
誰もが副業として気軽に始められるウェブライター。
始め方がわからないという人は、まずはクラウドソーシングを利用してみるのがおすすめです。
代表的なクラウドソーシングには以下のものが挙げられます。
仕事を得るには、こちらの個人情報などの登録が必要です。
しかし登録は無料だし、いい案件がないなら、やらなければいいだけなので、チャンスを得ることはあっても損をすることはありません。
なお、登録しなくてもライティング依頼の内容を閲覧することは可能。
クラウドワークス
国内最大級のクラウドソーシング。大きいため依頼主も多く、ライターの仕事を確実に探すことができます。
副業でライターをしようと思っているのであれば、とりあえず登録しておきたいサイトです。
ランサーズ
クラウドワークスと並んで有名なクラウドソーシング。
文字数の少ないブログ記事用のライティング依頼なども多いので、いきなり数千文字の記事を書くのがつらいライター初心者にも向いています。
サグーワークス
ライターのランクに応じて、単価の高い依頼を受けることができます。
記事を書くごとに、文章のダメな点を改善方法と一緒に細かく指導してくれるので、ライティングの技術も高められます。
私も一時期、プラチナライターとしてサグーワークスから仕事をもらっていました。
ライター経験は誰でも積める
始めは低単価ですが、当たり前のことを数か月続けるだけで単価アップができる、やれば報われるのがライターです。
今回の記事のポイントだけをまとめると、
こんな感じですね。
向いていないと感じたら、すぐに辞められるので、まずは副業から始めてみましょう。
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